祭りのフィナーレを飾る大松明を「柱松」と呼んでいます。全長20メートルに及ぶその巨大なオブジェは骨格をなす柱や大綱、三種の旗以外は毎年一から作り直されます。それも祭り当日、半日余りで一気に作ってしまうのですがその手順と作業の様子をご覧ください。
8月15日、朝から岡に上がり早速製作に取り掛かります。陽の暮れには本番が始まりますので、のんびりとはしていられません。
柱の先端部分に松明(たいまつ)となる“ツボキ”を作ることが主な作業になります。
作業しやすいように写真の様に鼻先を上げ、足場を組んで。
ちなみに、写真では細く見えますが柱は10mを超える杉の丸太で重量500Kgを超えるかなりの大木です。
右側の写真に写っている綱は柱松を立てる際に三方から引っ張って固定する為に使います。これを毎年一本、7日の日に新調するものと傷んだものから順次交換していきます。
若衆に代わり、柱松作りをして下さる中老の方々。
若衆のOBに当たる方達です。
ただ、中老と言っても見ての通りみなさんお若いです。
このイカリングの様な大きなワッカはツヅと言って、下の完成品の首元に見える鎖として使われます。
右の様に細い藤ツルを幾重にも重ね、同じ材料の藤から剥いだ樹皮を巻き付けて作っていきます。
藤は幹、樹皮共に弾力性に優れしなやかにして強靱であり、それをより合わせて作るツヅは構造は単純ですが抜群の強度を発揮し総重量1トン近くになる柱松をしっかりと支えます。
このツヅが切れるという事故はまだ一度も起こっていません。
いにしえの人々の知恵にはまったく驚かされますね。
2001年8月15日