7日の夜からは太鼓の楽(がく)と鉦(かね)、小太鼓のカンコの練習が始まります。
村の中程にある観音堂広場に集まってするのですが、強制的ではなくても毎晩多くの若衆が集まります。
それぞれに楽しみ、やりがい、プライドを持って取り組んでいるのでしょう。
この場には曇った瞳もなければ、虚無的な雰囲気、陰湿な苛めもありません。十代、二十代の若衆達は明るく頑張り屋が多いです。
ちなみに 、うちの村は昔からやんちゃな 男が多いところです。
そんな血から沸いてくる 負けん気やバイタリティーに祭りが支えられているのかも知れませんね。
先に若衆を卒業した先輩方の息子さん達も見学に来てくれます。
中学に入って若衆の仲間入りするのも、もうすぐ!
ただ、うちの村も過疎化、少子化の為に子供の数が減っており親子二代がそろって祭りに参加するような時代になってきています。
人員不足に困ってます。
当のお父さん達は「かなわんなぁ」なんて言いながら、目尻を下げていたりするんですけど。
練習が終わった後、皆なかなか帰らずに輪になって遅くまで話し込むこともあります。
田舎の夜空は闇が濃く、満天の星を見ながらそこでは昔々の話が出たりします。
裸電球の明かりの下で時を忘れて話し合うのは楽しいもの。
それぞれの人生模様、職業、学業の専門分野の話、趣味の話など、自分達とはまったく違う世界の話も飛び出して情報交換の役目も果たしているようです。
時代劇に出てくるような観音堂の広場で、古い家々や米蔵、山々、そして田畑を眺めていると何か大昔にタイムスリップした様な不思議な気持ちにさせられます。
練習は14日まで毎晩続けられます。
2002年8月7〜14日